シンガーソングライター(Part1) Vol.5

  世の中のシンガーソングライターの中には”一発屋”という人もいて、時にはバカにする人がいますが、「なんなら1曲でもヒット曲を作れるかい?」と問いたいと思います。
  
  一発屋だろうがなんだろうが売れた曲を作れたということは大変素晴らしいことなのです。
   才能があったということです。その人には泉が存在したのです。

  さて、別に分析はしてなくても大好きな曲を何度も何度も歌っていると自ら「オリジナル楽曲」が出てくるときにも大好きな曲と同じコード進行で進んでしまったり、大好きなワンフレーズが入ってしまったりすることはあります。

  世間一般よく引き合いに出されるのがバロック時代のドイツの作曲家、ヨハン・パッヘルベルの「カノン」です。
  ポール・マッカートニーから現代POPまで広くよく使われている和声進行、通称「カノン進行(カノンコード)がそれです。

そういえば僕がレコード会社でデイレクターをしていたときのこと。担当していたあるアーティストが再スタートするにあたり、事務所の社長が以前作ったA曲のことを気に入っていて(ある意味その曲しか認めてくれていなくて)「A曲みたいなの作れ」「作れ」と言われ続けていたそうです。

  さてアルバム曲選定の時に、誰もがリード曲だよね、と認めた曲がありました。シングルとしても発売したのですが、そのアーティストと話したときに彼が言ったのは、「社長にA曲みたいなの作れ! と言われ続けていたので、この曲はA曲と同じコードで作ったんです」と。

  ちなみに彼のその他の曲はちょいとマニアックだったかな・・・。
 
  何かの曲と似ているな、と思った時、僕のように長く音楽を聴いてきた人は出所がほぼわかるので、そこの部分(曲名)を指摘するのではなく、提出された曲全体の仕上がりで評価をしたりします。