ボーカロイド Vol.2

歌は作り手が吐露したい想い、疑問、発奮、鼓吹、ごく日常などを言葉にし、音を付ける。歌い手はその世界を理解し、自らの感情や想いをプラスしてその声で聴く人に届ける。

シンガーソングライターならなおのこと。
歌う人によって曲はいかようにも変化し、曲単独の何倍も名曲になったり、駄曲になったりすると信じて音楽に接してきた身としては、ボカロに「歌」を感動をもって人びとに届ける事ができるのだろうか、などと思った時期もありました.

しかし技術の進歩、作り手側の試行錯誤、そして聴き手の変化などによってボカロは確実に進歩を遂げていったのです。

さらにいうならば、ボカロがこうして「普通」のものとなったのは音楽の多様性と、聴き方・再生ハードの変化、それに伴う万人に知られる音楽の減少と、細分化されたジャンルごとのヒットチャート、耳の慣れなどが考えられます。

初期要因としてはデジタル音楽の出現、コンピューター・ゲームの流行による電子音の耳慣れ。飛躍要因としてはオタク文化の台頭、音楽業界のビジュアル重視への変化などの時間経過を経ていると思われます。

 そしてボカロこそが引き出せる魅力ある楽曲の登場も大きいのです。