ボーカロイド Vol.10(終)

  このような時代の流れを経ながらじわじわとボカロに対する免疫ができ始めた90年代、湾岸戦争に乗じてavexがヨーロッパから本格的にユーロビートを持ち込みます。

  このユーロビートのリズムとテンポも大きかった。
  ディスコからクラブへ、ハウスミュージック・・・と電子楽器音楽と音声の加工がますます普通のものとなっていきました。
  「慣れる」というよりも「好きなジャンル」へとステップ・アップしていきました。

  このリズムとテンポに日本語をノセル音楽も次々登場し、小室哲哉を始め、浅倉大介や中田ヤスタカなどが圧倒的な支持を得ることとなります。

 中田ヤスタカのプロデュースするきゃりーぱみゅぱみゅやperfume、キャリーはまだ揺らぎが感じられますが、perfumeの楽曲はゆらぎを排除してデジタル歌唱です。
 歌だけではなく、そのヴィジュアルもCGとの融合、アニメの世界のようなものあり、で、非現実的な空想空間を演出しています。

  こうして日本人の音楽の土壌にあらゆる肥料が撒かれ、土地改良され、道具を使い豊かに耕されたところにボカロは入植してきたのです。
  花が咲かないわけがない! のです。

  それにしてもYMOが最初にしておそらく最大のボカロ浸透の田畑ではないでしょうか。